思い出を増やすことは、小さな石を積んでいくことに似ている。
ひとつひとつ、手に触れたものをそっと丁寧に。崩れてしまわぬように積み上げたそれは、時折ふと土台の形を思い出したり、上手く積めずに入れ替えたり。複雑になっていく形や積み方は、きっとあなただけの形をしている。
積み上がったそれはやがてあなたの一部を形作るのかもしれない。
あなたの大事なものになるのかもしれない。
そうして積み上げていったものたちは、いつか誰かに繋がっていくのだろうか。
誰かに語り、繋ぎ、いつか誰かの手に拾われていくのだろうか。
そんな日が、来るのだろうか。
そんなことを考えながら、今日もひとり石を積み上げる。
11/18/2022, 10:27:20 AM