小音葉

Open App

形を失くして解けていく
線になって千々に砕けて
畝る私は波繁吹き

悔いはない
反響する泡の声
抱えた炎は連れていく
沈み、鎮まり、いつか回生を願う時まで
私が預かり閉じ込めておこう

光芒は私に懐いて
途切れた頁を連れてくる
瓶を開ければ汚れてしまう
清澄の脈に逆らって
弾け、弾け

悔いはない
鏡面を裂いて、手を伸ばした

(透明)

3/13/2025, 11:27:26 AM