時を束ねたように、後から後から出るわ出るわ写真の束が。
無論、写真以外にもアルバムだったりそういう類のものは、押し入れに所狭しと押し込められていた。
「あの人、こんなにも笑う人だったのね」
一枚の写真を慈しむように眺めるあなたの横顔。
私にとってのあの人は、常に顰めっ面で口を開けば罵詈雑言を浴びせる鬼のような人だった。
「せめて私の中ではこれからもずっと笑顔でいてほしいわ」
要らない写真やアルバムを殆どゴミ袋に放り込んだけれども、そのたった一枚の写真だけは最期まで捨てられなかった。
2/4/2025, 9:31:13 PM