『鏡の中の自分』
夜中にふと目が覚めた。
トイレに行ったあとに洗面台で手を洗う。
ふと気になって鏡をじーっと見つめる。
寝ぼけただらしない顔。
明日も学校と考えるとだるい。
余計に脱力してだらしない顔に...
鏡の自分もだらしない顔に。
鏡の中の自分が羨ましい。
そう思いながらベッドに戻ろうと鏡に背を向けると、
コンコン。と固いものをノックする音が聞こえた。
振り返ると鏡から手が伸びてて、寝巻きの胸ぐらを掴まれた。
「なら、入れ替わってやるよ。
俺が鏡の前に来ない限りお前は存在しなくなるけどな。」
不気味な声で喋りながら僕は
ゆっくり鏡の中に引きずり込まれた。
それと同時に僕そっくりの何かが
鏡の外へ出て言ったような気がした。
鏡の中に完全に入った瞬間、意識がプツンと切れた。
語り部シルヴァ
11/3/2024, 10:29:29 AM