綺麗な便箋にお気に入りのガラスペンで丁寧に文を書く。時候の挨拶、こちらの近況、あなたへの思い。
セットの封筒に入れて昔ながらの蝋で封をする。
柔らかで上等な布に〝ソレ〟を包んで、頑丈な箱に入れ、その上に手紙をそっと置く。
箱を開けた時、あなたはどんな顔をするんだろう。
楽しみで仕方ない。
驚き、喜び、恐怖、混乱。
怒りも混じっているかもしれない。
でも、それでも良かった。
「忘れてくれ」
言葉と共に渡されたお金。
あの時は呆然として何も言えなかったけれど、今なら言える。
お金なんかいらない。
あなたは忘れたいだろうけれど私は忘れない。
忘れるわけがない。あなたとの愛の日々を、あなたとの夢の日々を。
箱を開けたらきっとあなたも思い出す。
私との愛の日々、私との夢の日々。
手紙と一緒に届けた〝ソレ〟、なんだと思う?
ソレは、あなたと私の·····〇んでしまった、大切な·····
END
「あなたに届けたい」
1/30/2026, 3:20:54 PM