きつね

Open App

いつもと変わらない毎日にうんざりしていた。
だから、100均でたまたま見つけた瓶と飴玉で、気まぐれにおみくじを作ってみた。
ザラメがまぶしてあるカラフルな飴たちを、瓶の中へ適当に流し込み蓋を閉める。毎朝つまらない会社へ行く前に、適当にひとつだけ選んで口へと放り込んだ。

今日はどんな味だろう。ああ、甘い甘い苺味だ。
もしかしたら、あなたとお話できるかも。
優しく愛らしい赤色が、今日という日に色をつけた。

そうしていまやこの瓶は、わたしの家に欠かせない存在となっている。
高校生の娘が、眠い目を擦りながら部活に向かう。
小学生の息子が、ランドセルを背負って学校に向かう。
最後にあなたが、スーツに身を包み仕事に向かう。
彼らは家を出る前に、ひとつずつおみくじを引いていく。

いつもと変わらない素敵な毎日。
これはいつの日か気まぐれなわたしが引き当てた、大きな幸運だったのだ。

5/1/2026, 2:19:02 PM