Shina#47

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お題 : 涙の跡


涙の跡を知らないフリした。


…………私は、そんなのしたことない。

どれだけ逃げたくあっても、それは変わることのない事実だ。
人前で泣いたなら誰かが覚えているし、
自分一人で泣いた涙に籠っている気持ちは嫌でも覚えている。

どれだけ「死んでくれ」と願って泣いた夜があったか。
あの夜の気持ちを忘れたわけではない。

今でももちろん、あいつの事は殺したいほど憎んでいる。なんならいっそ、今この瞬間に消えて欲しい。

だけどどれだけ泣いた涙の跡を追って、こんな気持ちに行き着く。それは後悔の気持ち。


あんなやつの為に泣いてるだけ時間の無駄。
嫌でもアイツは生きてるんだ。私にとってアイツなんてただのモブ。ただの脇役!!

私は誰がなんと言おうとこの人生の主人公だ。ただ人の否定と過度な虐めしか出来ない可哀想な脇役共(笑)


あの涙は無駄だった。でも、無駄じゃない。

そう気付かせてくれた人がいる。
そんな運命的な出会いがあった。
それを結びつけてくれたのは悔しいけどアイツらだ。

あんなやつ、いつか忘れていつか笑い事になる。
自分がどんなに嫌いでも、アイツらよりは好きだ。

そう誇れるようになった、涙の跡。
「そうだよ。私は何回も泣いたことがある。」と。
隠すことも、知らないフリもしない。


誰がなんと言おうと、あの涙は私の人生の証だ。


7/26/2025, 4:37:21 PM