ヴェルタース

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 あ、私っておかしいんだな。

 そう思う瞬間は、何度経験しても心に穴が空いたような気分になる。

 サークルの飲み会とか、親戚の集まりとか、バイト先での会話とか。

 友情、恋愛、結婚、仕事、人生。
 それらの話題になるたびに、私は少数派の立場にいる。

 遊びに行こうと誘われれば暗い気持ちになる。
 何を話したらいいかわからないから。
 家でスマホでもいじっていたほうが楽しい。

 そのうち良い人が見つかると言われれば虚しい気持ちになる。
 自分がそうだったから、私も同じ感情になると信じ切っている人。悪意がないのは知っている。
 知っているからこそ、私は端から違う生き物だったような気がしてくる。

 公務員がいいとか、社会に出たらこうだとか言われるたびに脳みそが重たくなる。
 皆が当たり前にやっていること、できる気がしないから。
 どうしてそこまでして働いて生きていかなきゃいけないのか、わからない。


 私が好きなことは、みんなにとってどうでもいいこと。
 みんなが好きなことは、私にとってどうでもいいこと。
 
 それを、知る由もない。
 考えたことすらない。
 
 私は、みんなとは全く違う生き物で、みんなと同じになれるように擬態して生きている。

 そうなんだあ、って曖昧な返答。
 失敗だったと悟るとき。
 何が正解かすらわからない。

 人が集まる、多数派と少数派が生まれる。

 私は、いつも、少数派。


 ひとりでいるより、ずっと寂しい。


12/19/2024, 1:29:54 PM