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6,「空を見上げて心に浮かんだこと」

 空を見上げて雲を見ても、「あ、雲だ」としか思えない。ここで「ソフトクリームみたい」とか「犬みたい」とか、そんな風に思えるような情緒がない。
 そう君に言った時。つまらない人生ね、なんて笑われた。君は得意だったから余計にそう思えたんだろう。自分でも嫌になるくらい実感してるから笑わないでよ、なんて言い返した。

 ねえ、もしも僕がそんな風に不思議なものを信じたり、架空のものを見出せる感性があったらさ。君と釣り合うくらい、豊かな人間性ってものを持っていたらさ。
 
 神さまは君を連れて行ったりしなかったのかな、なんて。普段は信じてもいない神さまを恨んだよ。

7/17/2024, 6:52:52 AM