古い洋館のバルコニーで、そっと外を見つめていた。雪は静かに舞い、白い世界をゆっくりと満たしていく。手すりに積もった雪を指で触れると、結晶はすぐに淡く溶けて消えた。「触れた途端にいなくなるなんて……でも、綺麗」その小さなつぶやきも雪に吸い込まれ、夜の空気に溶けていく。広い庭も、背の高い木々も、雪に覆われてまるで別の世界のようだった。消えてしまうものほど、心に残る瞬間がある──白い景色を見つめながら、そっとまぶたを伏せた。
12/12/2025, 2:04:57 PM