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〈降り積もる想い〉

部屋が寒く目が覚め起きると、外は雪が降っていた。
僕は、そりゃ寒いわけだ、と思う。

寒い廊下を歩きリビングに着くと。

テーブルにあるリモコンを手に取り、テレビをつけるとそこに映る彼の姿が目に留まる。
あぁ画面に映る彼は今日も大忙しのようだ。
テレビを眺めながら冷めたパンを食べていると、ふと昔の事を思い出す。

あれは2人で芸能界を目指そうなんて、言っていた頃の僕達だ。

〈なぁアキラ見てくれ!今度の舞台が決まったんだ!まだ小さな舞台だけど、…いつか、いつかきっと一緒に大きな舞台に…!〉
なんて彼は僕に言って聞かせた。
あぁ彼はすごいな、僕には眩しすぎるくらいには………。
〈あのさ、ごめん僕、やっぱり芸能界は諦めるよ。〉
〈えっ…?〉
〈これ以上父さんも母さんにも迷惑は掛けたくないし、それに僕は君みたいには慣れない……。〉

それからは彼には一度も会っていないが、テレビに映る彼はよく見るようになった。今僕は彼とは違う道に立っては居るがきっと後悔はしてないはず、なのになぜだろう?これは寒さのせいか、それとも雪のせいなのか…僕の心のなかでも何故か雪は降り積もっていた………。

12/21/2025, 5:34:35 PM