落ちてゆく。落ちてゆく。落ちてゆく。 心が深く、深く、深く……底の見えない闇へと…… 私はニヒルな笑みを浮かべて煙草を吸う。 少し口の中で煙を転がして鼻から息を吸い肺に落とす。 数秒息を留め頭が痺れる感覚に酔いしれる。 部屋には彼がコレクションとして持っていたヴィンテージ物のワインの空き瓶が数本と、私の胃袋から出てきたその残骸。 知らぬが仏とはよく言ったものだ。 彼が他の女とキスしているシーンなんて見なければ……
11/23/2024, 10:59:59 AM