テーマ「願いが1つ叶うならば」で思い出したのが『かがみの孤城』という本です。
知ってる人も多いかもしれないけど、おすすめなのでぜひ読んでみてください。
今日は2つ思いついたので2つとも書きます。
①と②は全く別のお話です。
「願いが1つ叶うならば」(完結・①)
誰にも負けない「力」がほしい
容赦なく暴力を振るった貴方に
許されるまで謝り続けたあの時
間違いなく私の心はぶっ壊れた
暴力は痛かったけどそれ以上に
圧倒的な力の前では私は無力で
暴力にまた屈してしまうならば
死んだ方がまだ幸せだと思った
そんな思いを抱えて生きるのが
酷く惨めで辛くて心が痛かった
もうあんな思いをしたくないの
この繊細さに欠ける世界の中で
臆病者が自分らしく生きるには
「力」を持つ以外方法がないの
だから神様、私に力をください
私ならその力を正しく人のため
一切使わずにしまっておくのに
「願いが1つ叶うならば」(途中書き・②)
七夕が近づくと、生徒会によって学校の中庭に笹が用意される。
教室で配られる短冊に願い事を書いて、横たわった笹に付け、七夕当日に笹を立てるのだ。
笹は校舎の4階くらいの高さがあり、各階の窓から笹に付いた短冊を見ることができる。
「今から短冊、付けに行くけど来る?」
友人の詩織がピンクの短冊をひらひらさせながらやってきた。
まだ赤の短冊に私は何も書けていなかった。
―願い事、それも1つだけ。
願い事はいくつか思いついたけど、それが本当に一番叶えたいことか、と考えるとどうも違うように感じた。
考えても今は見つからない気がして、参考までに他の人の短冊を見に行くことにした。
「そう言えば短冊に何て書いたの?」
廊下での移動中、私が詩織に尋ねると「誰にも言わないでね」と言いつつ、私にピンクの短冊を渡した。
「あれ?これ…」
この短冊には見覚えがあった。
「今年こそ告白できますように」と書かれた短冊の特徴的な可愛らしい丸文字。
自分の名前を短冊に書かない人は珍しくないけど、短冊の端に数字を書く人は珍しいと思ってなぜか覚えていた。
「高1の時に好きなあの人と3年間同じクラスでありますように、高2の時に好きな人と両想いでありますようにって書いてた?」
「なっ、なんで知ってるの?」
やっぱり詩織だったのか。
高1の時から好きなあの人って誰だろう。
私も知ってる人なのかな?
「お願い!誰にも言わないでー!」
顔を真っ赤にして詩織はそう何度も言った。
詩織は自身の願い事を覚えていたけど。
そう言えば私は昨年は何を願ったのだろう。
高1の時も高2の時も七夕は雨だった。
短冊が濡れて中には吸収した雨水の重さに耐えきれず落ちてしまった短冊もあった。
もしかしたら願いを込めた短冊が濡れるのが嫌で書かなかったのかもしれない。
まあ、過去の願い事なんて考えたって仕方がない。
そうこう考えているうちに笹の置いてある中庭に着いた。
詩織がどこに付けようか悩んでいる間、私はいろんな人たちの短冊を見ていく。
3/11/2025, 8:16:07 AM