朝起きたら、毛布が肩からかかっていた。
何を当たり前な。と思うかもしれないが、そうじゃない。
ここはリビングで、俺の部屋ではなく。
こたつで寛ぎながらいつの間にか夢の中へダイブして、そのまま寝室へ移ることもなく朝まで爆睡してしまったのだ。
寝入り端。
「親父、起きろよ。おい」
「こたつで寝るなってば。おーい」
と、息子に揺り起こされた覚えはあるのだが、疲れに負けて全く起きることが出来なかった。
子供に世話を焼かれるなんて、不甲斐ない父で申し訳ない。
出来の良い息子はそんな俺を見捨てることなく、こうして毛布までかけてからリビングを去ったのだ。
まあ、ため息吐かれたのも覚えているけれど。
優しい子だなあ、と和んでしまうのは親馬鹿だろうか。
「あたたかいねえ~」
こたつの温度も、手繰り寄せた毛布もぽかぽかとして気持ち良くて。
にやけた顔のまま、ついついもう一眠りしてしまった。
その後、起きてきた息子に叩き起こされたのは言うまでもない。
ごめんな、ありがとう!
(2024/01/11 title:070 あたたかいね)
1/12/2025, 8:49:44 AM