しきぶ

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よるにめがさめた。


静かなよる 。

明かりひとつない真っ暗なよる。

車の走る音が聞こえない。 猫の鳴き声が聞こえない。

静かなよる なのにめがさめた

私は天井をみてた。真っ白な天井。寝る前にしかみない天井。

街は眠ってた。たぶん、2時を回ってた。くるくる。

夜だけが起きてた。私は 起きてたのかもわからない。

静かなよるだった。布団を被ってたのに寒かった。

背中だけが冷たい気がした。熱かもしれないと思った。

何をするとも思わなかった。ただ、白い天井をみてた。


いつもみる天井。あれ。知ってる天井。あれあれ。知ってるはずの天井。あれあれあれ。知らない 天井?


目を凝らしてみた




白いてんじょうだった 夜なのに しろくみえた




よくみたら揺れてた、少し。ぼやぼやしてた。

人にもみえたし白いラックにもみえた。部屋に置いてたからそうみえたのかもしれない。

静かなよる。呼吸はひとつ。影はふたつ。

いる。わからないもの。しらないもの。さっきから心臓が騒がしい。

なにもない。なにもしない。ただそばにいるだけ。

ばくぜんとした不安に包まれて動けなくなった。
心臓がばくばくとなってる。ぼやぼやはなにもしない。
ただそこにいる。死んでるみたいに。それが嫌だった。
じぶんの想像力に殺されそうになる。怖い想像だけが頭の中でたくさん湧いてくる。溢れ出て、こぼしてしまいそう。
だれ?なに?どこ?どれ?あれ?あれ?あれ?

枕の中に頭が沈んでいく。身体もあとからついてきた。

水の底に落ちたみたいに、視界がどんどん暗くなる。

暗くなって意識が落ちて、私はそっと目を閉じた。

1/14/2025, 10:55:13 AM