安らかな瞳
「あ、札幌最高裁のやつ、同性婚出来ないのは違憲判断だって。」
「お〜まじで、道のり長いとしても良い傾向だ〜。」
「まあ…十分しあわせなんだけど、お国様に合法にしてもらわないとしあわせ壊されちゃうかもしれないからなぁ。」
そう静かに言う怜の瞳は安らかな色をしていた。
俺が思い出す10代の君は、いつも瞳を下に向けてうろうろさせている。君はひとりで同性愛を抱えて、俺がそうなわけないって決めつけてた。
俺としては怜が望む関係でいたいって思ってたんだけど…それが受け身すぎたんだよな。
「…もっと早く安心させてやれたら良かったなぁ。」
「んん?」
「俺は最初から怜の王子だったのに言うのが遅すぎた。」
「なに言ってんの…むしろ言わなかったでしょ、僕に言わせたんだから僕が晶の王子だったんだよ。」
安らかな瞳は笑って煌めいた。10代よりも無邪気に20代を過ごせているのが幸せだ。
「…というわけで日本くんは5年以内くらいには同性婚出来るように変わってくれ〜〜。」
「ほんとだよ〜。」
3/15/2024, 3:57:50 AM