夢路 泡ノ介

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電話を通じて夜もすがら過ごしたあの月の光を忘れない。
君と言葉を交わす感覚が、今も続いているから。
陽は寝ていても肌を熱らせる夜のなか、空いた窓からそよ風がカーテンを靡かせ、少しの清涼を浴びながら君と話していた。
他愛もないのに覚えている。何でもないような日が、本当の癒しかもしれない。

今日も月の光が煌めいている。
暗く、しんとした空でのんきに周っている。
気にしていなかったのに、なぜか目が離せない。
僕はまた、いつものダイヤルを静かにかけた。

【終わらない夏】

8/17/2025, 10:23:28 PM