「あのね、ちょっと、その、変な事言っても良い?」
「突然なに?どーしたの」
「いやぁ、ほら、僕って昔は引っ込み思案でいつも俯いてて、凄い暗かったじゃん?」
「まぁ、確かに昔はあんまり他人と関わりたくありませんって感じだったな」
「そうそう!でも今は違うでしょ?」
「友達は増えたかな」
「増えた増えた!でね、それで、お礼を言いたくてさ」
「お礼?何の?」
「僕と関わる事を諦めないでくれてさ、僕に沢山楽しい事を教えてくれて、本当にありがとね!」
「え、なに急に?どーした?変なモノでも食べた?」
「ねぇ!失礼じゃない!?凄い勇気出したのに!」
「うそうそ。そんなの、俺が傍に居たかっただけなんだから、お礼言われる事じゃないよ」
「それこそ、僕がお礼言いたかっただけなんだから、素直に受け取ってよ!」
「はいはい。あ、それとさ」
「ん?何?」
「俺の方こそ、あなたがいたから俺でいられるんですよ」
「なっ、なに急に!改まってどーしたの!?」
「感謝してるって事。あと、お返し。言われる側の気持ち、分かった?」
「ぅ、なんか恥ずかしいね」
「そーゆー事。でも嬉しかったよ。どういたしまして」
「僕も、嬉しい、です。えっと、どういたしまして?」
「じゃあ、これからも傍に居るから、よろしく」
「うん!僕も!よろしくね!」
『あなたがいたから』
6/20/2024, 7:45:34 PM