遅くまでお仕事大変だから、たまにこうして掃除しに来てるけど。何気ないふりして今日もここへ来たわけだけど。もうそろそろ限界かもしれないな。掃除が、じゃなくて私の心が。
女物の靴下、見慣れない化粧品のゴミ、なんとなく部屋中に漂うムスクみたいな香り。私以外にこの部屋に出入りしてる人がいる。こんなにその痕跡隠さないってことはつまり、このことを私にバレたいのかな。暗に“もうここへは来るな”ってことを示しているのかな。今まで気づかないふりをしていたけど、そろそろもう限界みたい。こんなにあからさまに見せつけられちゃ貴方のこともう好きでいられない。ずっと一途に思っていたのに。どんな冷たいこと言われても許してきたのに。こんなに尽くした私を見捨てるっていうんだね。ズルい。酷い。許せない。
それなら私だって考えがあるから。浮気したこと後悔させてあげる。今日貴方がここへ帰ってきたら、さぞかしびっくりすると思うよ。そんな“イタズラ”を仕掛けといてあげるね。私が命をかけて仕掛けるイタズラ。下手したら貴方が犯人だと思われちゃうかもね。遺書にはたっぷり貴方へのことを綴っておくから。
3/31/2024, 5:21:31 AM