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もう長いこと、耳元で鼻をすする音としゃくりあげる声が聞こえる。


いつか振りの再会。
自分に非があるから仕方ないのだが、会ったとたんに一発殴られた。そのあとぼろぼろ涙をこぼすその男に息ができないほど強く抱き締められ、そこからずっとこのままだ。

どうにかして泣き止ませようとひたすら背中を撫でているが、なかなか落ち着かない。

「そんなに会いたかったのか?」と茶化し気味に聞いたら、「会いたかった」と蚊の鳴くような声で至極真剣に返された。
それから、「次離れたら、絶対許さない」とも。

その一言で悟った。離れていた間、いや、それ以前からこの男が抱えていた想いの丈を。
それは一人で溜め込み続けるには大きすぎたことも。



決めた。
もう離れない。
もう俺のせいで苦しい思いをさせたりしない。

それを伝えると、さらに嗚咽が激しくなってしまった。
俺はこいつを泣き止ませるためにも、自分の決意をちゃんとこいつに証明するためにも、また背中を撫で続けるしかなかった。


【泣かないで】

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一緒にいるのが当たり前だからこそ、気づかない気持ちもある。

11/30/2024, 11:14:59 AM