春爛漫
桜が咲き乱れ、舞い落ちる。
暖かい日差しと青い空。
その日はお花見にはちょうどよかった。
お花見に来た人々の雰囲気も明るい。
私もこの季節を楽しもうと考えながら
川沿いを歩く。
桜の花びらが流れてゆく。
綺麗。
私は桜が好きだ。
美しく、何処か儚い。
咲き始めでも、満開でも、散ってゆく姿も。
私はしばらく桜を堪能した。
「お母さん!見てみて、黄色い花!」
私は思わず振り向いた。
「それは菜の花だよ」
「菜の花?」
「そうだよ
それより桜は見ないの?」
なんだか、小さい自分を見ているようだった。
私も、同じことを言っていたから。
あのときは桜はほとんど見ていなかった。
それでもこの季節が好きなのは変わらなかった。
私は女の子から目線を変えようとした。
その時、見たものは。
優しい日差しと青い空。
桜が浮かぶ水面。
白い蝶。
黄色い菜の花と淡いピンクの桜。
今年も見つけた。
思い出を。
4/10/2024, 12:15:15 PM