凍てつく星空
夜の庭に出た。
シンとして、息が白い。
肌に触れる空気は、痛いくらい冷たい。
見上げた空。
凍てついた星々が、
まるで砕けたガラスのように、
鋭く、そして果てしなく遠く光っている。
何億年も前の光が、
いま、わたしの目に届いている。
その途方もない時間の長さに、
わたしという存在の小ささを思う。
ふと足元を見ると、
クロが丸くなってわたしの足に寄り添っている。
もふもふした、小さな温かいかたまり。
宇宙の冷たさとは対極にある、
この確かなぬくもり。
世界はこんなにも大きくて、
凍てついているのに、
わたしはたったひとつの生命のそばで、
こんなにも温かい。
クロの吐息の温度。
このぬくもりこそが、宇宙への返事。
12/1/2025, 2:22:35 PM