「風邪以外の『微熱』っていうと、他には、何があるんだろうな……」
ネットによれば、37.5℃以上が「発熱」なので、それより下が「微熱」だろう、とのこと。
38℃は「高熱」らしい。日本の感染法上の定義だというが、事実かどうかは分からない。
で、3月22日あたりに一度風邪ネタ書いたこのアカウントで、「微熱」は何が書けるだろう。某所在住物書きはため息を吐き、天井を見上げた。
「……全然関係無いが、コロナ禍の初期、風邪薬のCMが少なかったような、気がしないでもないんよ」
ほらアレ。栄養ドリンクかな。「体調悪いけど、頑張らなきゃいけない!そんな時に!」みてぇなヤツ。
あれから数年だってよ。長いわな。物書きは再度息を吐いた。 で、今回のお題、どうしよう。
――――――
職場のゴマスリ係長、上司にゴマスリばっかりして自分の仕事は部下に丸投げな係長が、風邪で休んだ。
微熱ながら、発熱がみられたため、インフル拡大の近況を考えて自宅療養、とのことだった。
数ヶ月前、ゴマスリと仕事の丸投げが、職場のトップにバレて叱られてから、係長はだいぶ大人しくなったけど、性根は全然変わってないらしい。
というのも、今朝通勤途中、「微熱」のハズなのにマスクもつけず、缶ビール買ってコンビニから出てくる係長を、私と職場の先輩とで目撃したのだ。
あのさぁ(略)
「それでも診断書、画像で送ってきたらしいぞ」
良いよね有給気楽に使えて。 ねー。
同部署の仲間とウラミツラミなおしゃべりしてたら、先輩が決裁書類の提出から戻ってきた。
「本当に『微熱』で、『風邪』だとしたら、うつされては困るだろう。放っとけ」
かわりにホラ、お前の分。
先輩は少しだけ、ほんの少しだけ笑って、私とウラミツラミ仲間の机に何か置いた。
クッキーだ。小さなクッキーと、マカロンだ。
「課長が旅行に行ったらしい。ブラックフライデーで安売りしていた菓子屋があったから、土産だと」
「課長まで『微熱』で倒れたりするかな」
仲間ちゃんが気を利かせてコーヒー持ってきてくれたから、私も、本日のおやつのスティックポテト、早い話がじゃがベーを、小袋開けて3等分。
お昼まで、残り数分。ちょっと時間を繰り上げて、お先に休憩失礼することにした。
「にしても、世の中変わったよね。数年前まで『少し熱出しても気にせず職場に来い』だったのに」
「段々その頃に、戻り始めている気もするがな」
ポリポリ。じゃがべーつまむ先輩が言った。
「微熱でも出勤、微熱でも自宅療養。はてさてどちらが良いのやら」
「私は自宅療養したいけどゴマスリは出勤すべき」
「うつされるぞ。風邪だの何だの」
「それはヤダ、けど、ゴマスリはキライ」
「気持ちは分からないでもない」
「頑張った仕事、何回も横取りされたもん。私、絶対忘れないもん」
「それがバレて、厳重注意にはなっただろう」
あーだこーだ、あーだこーだ。
おしゃべりしてお菓子食べて、コーヒー飲んで。
月曜日の昼前としては最高のひととき。
時計を見ようと視線そらしたら、奥隣の部署の知らない誰かが、
少しだけ顔赤くして、額に手を当てて、奥部署の課長と何か話してた。
「ウチの職場もとうとう、か?」
先輩も、私が見てる光景に気付いたらしい。
「インフルはゴメンだぞ。まだ予防接種していない」
11/27/2023, 3:41:44 AM