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三日月…

まんまるのお月様も好きだけれど
まんまるから次第に欠けてゆく様子が好き。
とりわけ形が一番好きかもしれない。三日月。

我が家には三日月のオブジェがある。
昔、住んでいた家のトイレの壁に飾っていた。

目をつぶり口元はちょっと笑っている。
ハンサムな顔。
どうしてだろう…女性には見えない。
ちょっと、済まし顔だからかな。

今は同じくトイレに住んでいるが、棚に置かれている。
まるで寝ているように。

壁にいた頃は光の加減で表情が違って見えていた。
そうかな…
見る日の自分の心情に左右されていたのかも。

トイレの扉を開ける度に壁の上から問われている気分だった。
お?今日は機嫌がいいじぁねぇか!
ん?どうした?困り事か?
おいおい…飲みすぎだろ、大丈夫かよ
何…嫌な事でもあったのか?…泣くなよこんなとこで

勝手に妄想してたりして。
話せたならいいのに…と思ったりした。
トイレだけは個室で密室で秘密の自分だけの空間だから、ついつい本音が本心がだだ漏れてしまう。

三日月は正面も
斜めからも 横顔も とてもハンサム。
空に浮かんでゆ〜らゆらしてるんでしょ。
誰も見てない時に。
どんなに細い三日月でも私の心を灯す光が届いている。

いつか、そんな姿を見てやるぞ〜。
なんてね。



*読んで下さり ありがとうございます*

1/9/2024, 10:20:55 AM