「僕と一緒に」
「僕と一緒に墜ちてくれる?」と貴方は私に言ったね。
婚約者が居るのを知らずに知り合い、付き合い、そして修羅場。
彼女も、私も何も知らなかった。
でも、彼女は「婚約者」で、私は只の「彼女」。
しかも、時系列を考えると私の方が後。
いくら知らなかったとは言え、あくまでも割り込んだのは私。
貴方も、いつかは破綻するであろう事は解りきっていたのに、一体どうするつもりで居たの?
結婚するつもりがあったから婚約したのだろうし、バレない訳がないのに。
貴方は私に切々と語った。
彼女との経緯、別れられない理由。
ホントは気持ちは私にある事。
そして、私に言った。
「自分は全てを捨てても一緒に居たい。婚約破棄するから、僕と一緒に墜ちてくれる?」と。
???
「何言ってるん、コイツ?」だよね。
私は確かに今でも貴方が好き。一緒に居たい。
でも、それとこれとは別の話で。
親や親族を巻き込んで、貴方を不幸にさせたくない。
貴方が居ないと生きていけない彼女を、一人には出来ない。
そういう事をしてしまえる自分になりたくない。
そういう事をしてしまえる貴方を見たくない。
そして何より。
一緒に墜ちてくれるか確認してからでないと動けないって、オマエの本気はその程度?って。
何処までもズルいよね。
自分のした事の責任は自分で取ってよ。
私は私の責任を取るから、貴方は貴方の責任を取ってよ。
私は、知らなかったとは言え彼女を傷つけた。
だから、この私の痛みは、私が引き受けるのが当然だと思ってる。
悲劇のヒロインぶって、貴方と逃避行したり、「私も知らなかったから」って開き直るのは違うと思う。
只、この事実を受け止めて、私に出来る「正しい」であろう事をする。
それが私の責任だと思う。
なのに貴方は?何を言い出すの?
せめて、最後位はカッコいい男で居てよ。
私が好きだった、カッコいい男で居てよ。
「こんな男を好きだったのか?」って、これ以上私を惨めにさせないでよ。
9/23/2025, 10:46:59 AM