たやは

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胸の鼓動

私はエイリアンだ。つまり人類でなく地球外生命体ということだ。
でも、両親が地球に越して来てから生まれたので地球生まれということになる。なんなら地球以外は知らないし、人類として普通に生きている。
でも私はエイリアンた。

私はパリでを1人で旅していた時にパリコレのモデル募集に応募した。もちろん合格はしなかったが、そこで仲間に会った。
彼も人類に紛れ混んていたが、同類は見分けが付くのか私に3度も声をかけてきた。

彼に進められるままにオーディション会場に行ったが、どの会場でも自分がエイリアンであることに気づかれるのではないかと胸の鼓動が聞こえてくるほどドキドキしっぱなしだった。

なぜ、エイリアンでることを隠さなければならないのか?

人類は未知なるものを相容れないものとして排除しようとすることがある。それは暴力的だったり、社会的だったり、精神的だつたりする。

私はそれが怖い。

私にモデルとしての実力がなかったのはもちろんだか、こんな状態では合格などできるはずもない。目立ちたくなければモデルなんてやらなければいいと何度も思ったことがある。でも、私にはエイリアンとしての自覚はない。むしろ人類として生まれた時から生きているのだから人類だと思っている。やりたいことをやってみたいだけだった。
てもあの時、エイリアンの彼に会ったことで、自分の正体が気づかれる恐怖心が強くなってしまった。怖い。

これからどうやって生きていこう。誰にも会わず、1人家に篭って息を殺すように生きていくしかないのだろうか。

あのエイリアンの彼は輝いていた。自分に自信があり、強い意志を持っているように感じた。あんなふうに生きてみたい。人類とかエイリアンとか関係なく、自分のやりたいことをやって自分の価値を見つけていきたい。


「あの人たちは見る目がないわね。あなたなら受かると思った。」

彼の言う通りなら、私だってパリコレモデルとしてランウェイを歩くことができる。
私の弱い心を信じるのではなく、あの光り輝く彼を信じてみるのも悪くない。

まだ頑張れる。まずは、ほどほどに頑張ってみよう。

きっと上手くいく。

9/8/2024, 1:12:37 PM