No.26:夜空を駆ける
闇を流れる星々を、ただぼーっと眺めていた。
終点が近いのに、それでも眩く、美しいそれ。
そうして窓の外を眺めていると、不意に背中へ温もりが乗った。
「...どうしたんだよ?」
独り言のように、背中のぬくもりへ呟く
「...君が、星に連れてかれるかと思った」
何時ものらりくらりとしている彼奴が、あまりにも突然ファンタジーチックな事を言うものだから、思わず笑が零れる。
「...何言ってんだよ」
窓枠から身体を離し、彼奴の方へ身体を向ける
「俺は何処にも行かねぇし、今更離れるつもりは無い」
「...素直なの珍し...」
「殴るぞ?」
「わぁごめんごめん!謝るから拳しまって!」
両手で降参のポーズをとる彼奴をみて、取り敢えず拳はしまっておくことにした
全く、何時も都合のいい事ばかりで...
「ありがとう、□□」
「!」
驚いて振り返る私を見て、彼奴は面白がるようにクスリと笑った
2/21/2025, 12:02:56 PM