るに

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ただ何をするにも
気力がまるで湧かなかっただけ。
頭が痛くて顔が火照っていた。
熱があるのかと思って
測ってみても36.6。
関節が痛いから
これから熱が出るのかなーと
今日は何もしないでいた。
そう思ってたけど違った。
気力が湧かなかっただけで
自分が動かなかっただけで、
何も出来ずにいたんだ。
苦しかった。
水を忘れた魚みたいに。
悲しかった。
自分を否定された時みたいに。
ただの風邪じゃないな、と思った頃には
真っ白な靄がかかった
ボールのようなものが
口から出てきた。
ひんやりと冷たくて
滑らかで触り心地がいい。
スクイーズのように柔らかいけど、
ちょっと落としただけで
パリーンっと窓が割れたような
耳の奥を突き刺す音がした。
分かるわけないと思いつつ
ネットで調べてみた。
意外とその真っ白なボールのことは
沢山でてきた。
どうやら真っ白なボールは
雲というようで
割れ切って全部の靄が飛んでいったら
その靄は空に浮かぶあの白い雲になるらしい。
雲はモヤモヤが溜まった時にできるもの、
というのも分かった。
そして割り切るとモヤモヤは
スッキリ消えてるんだとか。
じゃあ空にある雲には
どこかの誰かさんの
モヤモヤが集まってできてるんだと
わかっただけで
頭痛が少し和らいだ気がした。
高い所から落とせば割れるようだけど、
私はなんだかあの音を
もう聞きたくないと思った。
だから調べもせずに飲み込んでみた。
すーっとモヤモヤは
私の中に戻っていった。
今は要らなくて消したいものでも
いつか共存できる日が来るかもしれない。
そんな遠い未来を夢見て…?というか
ただ割れる音を聞きたくなかっただけで!
"Good Midnight!"
モヤモヤを受け止められて
一緒にいられる日が来る時。
その時は多分、
うざいくらい
綺麗な木漏れ日が見えるだろう。

5/7/2025, 2:43:07 PM