さぶろー

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見つめられるとうなじが熱くなった。
どうにか抑えようと思って深呼吸しても、熱は治ることを知らず、むしろ火に酸素を送り続けるかのように上昇した。

あぁ、恥ずかしい気持ちがバレちゃうなぁ。

次第に呼吸は荒くなり、視線を逸らすことも困難になる。手が震えて、カシャンと果物ナイフが落ちた。
膝が震えて、へたり込む。
スカートが血に染まる。
目の前のその人は、床に寝そべったままピクリとも動かずこちらを静観している。
へたり込んだせいで距離が近くなり、今度は身体全体が熱くなった。

あぁ、この人の最後に映ったモノが私になっちゃったな。
なんて、恥ずかしくて頬を擦った。

3/28/2024, 4:51:49 PM