多田野一人

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花畑
どこも続く秋桜の波…そこに立つ貴女は、カメラに向かって微笑んでいる…あの頃よりも、ふっくらした面影、明るい目元…そして、その顔は、妹と同じで…二十年振りに会ったお母さん…当時も、母さんが出て行った理由に納得していたけれど、突然の別れと、家族でなくなる、母さんと言える人が眼の前からいなくなる…捨てられる…色んな想いが交差した…小学校の卒業式直前の出来事…50も後半になろうとする今も、お母さん、と云う言葉を聞くと、切なく、哀しく、そして怒りが湧いて来る…初孫を見せたくて、漸くとった連絡、そして再会、でも、その時のお母さんの一言が、親子の再会の喜びで無く、怖いものを見る目で放たれたことが、今でも夢に出て来る…大好きな花と、この世にたった一人の存在の写真…

9/17/2023, 2:18:24 PM