「同情は決して悪いものじゃない」
メガネちゃんはそう言って、黙々とインスタを見ている。私も横から覗き込んでみたけど、画面にずらりと並ぶ投稿のゴテゴテした感じにうんざりした。
だから体勢を戻して、さっきメガネちゃんが言ったことを考えてみる。
「……『可哀想』ってさ、明らかに下に見てるのに?」
「受け取る方が卑屈になってるだけ。もちろん本気でそう言ってる人もいるかもしれないけど」
逆になんで全員が全員、そうだと思うの?とメガネちゃんは首を傾げた。
確かにそうかもしれないけど。
勝手に寄り添われてもなぁって感じだから、私は同情ってよくないと思う。
「やっぱり同情はよくないんじゃないかな?」
「でも同情って、相手の気持ちを想像して理解しようとすることでしょう?さっきの例は置いといて、それって悪いことなの?」
「んー……それって共感じゃない?」
「じゃあ、同情と共感の違いってなに」
言葉に詰まる。
どっちも相手の気持ちや苦しみを理解して、寄り添うこと寄り添おうとすること。
二つの違いは何だろう?
もし誰かに寄り添ったら、『同情はやめて』って言われるのかな。自分はその人の気持ちに共感しているのに。
「メガネちゃんの言う通り、受け取り方の問題かも」
「どういうこと?」
「受け取る人が『同情だ』って思ったら同情で、『共感だ』って思ったら共感なんだよ」
メガネちゃんが顔を上げて、ちょっと私を見つめてから眼鏡をとった。
「またひとつ、答えが見つかったね。パーマちゃん」
***
皆さんは『同情』と『共感』の違いはなんだと思いますか?
なぜ共感は良いイメージがあって、同情には悪いイメージがあるのでしょう。
誰かと話してみると、結構楽しいかもしれませんよ。
2/20/2023, 11:30:41 AM