僕はこの景色が好きだ……
大きな大樹の前に今僕はいる
『ここの景色はいつもきれいだな……』
その一言を言ってもいつも返事する声はない
そう思ってたのに……
今日だけは違った……
〔本当だね!!こことってもきれいな景色だね♪〕
『えっ……』
声が聞こえても僕は動けない……
『ねぇ、誰かいるの…』
〔うん。いるよ。あっそっか。
君の方からだと俺は見えないのか(笑)〕
ごめんごめんといいながら僕の前にその人物は
来た。
〔こんにちわ〜〕
『こんにちわ……』
二人で挨拶を交わす。
〔急に声かけてごめんな。
たまたま同じこと思ってたから
つい返事してた(笑)〕
『ううん。大丈夫だよ。驚いただけだから。
えっと……』
〔あっ名前言ってなかったな。ごめん
俺は[チェッロ]。君は?〕
『僕は、[アルタ]。』
〔アルタは昔からずっとここにいるのか……〕
『うん、ここに連れて来られてからはずっと
ここにいるよ。』
〔そうなんだ…。さみしくないの?〕
『さみしいけど、でも僕のことを必要と
してくれる子もいるから。役に立てれて
嬉しいんだ……』
〔そっか……〕
『チェッロはどうしてここに?』
〔ん?俺、俺は旅の途中で疲れたから
上の大樹の上で休んでたんだよ〕
『えっ。チェッロ。旅してるの?』
〔うん。気ままな一人旅。〕
『へぇ〜。旅なんてかっこいいね。』
〔そうか……〕
『うん。カッコイイ。旅って
どんなことしてたの』
〔どんなことって色々だよ。そうだな……〕
そう言ってチェッロは旅の話をしてくれた。
チェッロの話はどれも僕には新鮮でとっても
楽しい時間だった…
気がつくと夕日がでていた…
〔わぁ…もうこんな時間か……〕
『本当だね…。そろそろお話もおしまいかな(笑)』
僕が言うとチェッロはニコニコしながら言った
〔決めた!!俺さ。ここに住むことにする〕
『へっ?住むって…』
〔そのまんまの意味。ここの土地には初めて
来たからまだ色々みたいところもあるし
それに……お前と話すの楽しいから。〕
『でも、それじゃあ旅は?』
〔旅はこの土地を調べ尽くしてから行くよ。
それまではお前と一緒に話したい。まだまだ
話し足りないから。だめかな?〕
『ううん。チェッロがそれでいいなら
僕もまだチェッロの話を聞きたい。』
〔じゃあ、決まり!!これからよろしくな。
アルタ。〕
『うん…よろしくね。チェッロ』
この日から僕に大事な親友ができました…
名前はチェッロ。僕の大事な小鳥の親友です。
このお話は、一人ぼっちのブランコと
旅をしていた小鳥のお話。
おしまい。
2/2/2024, 6:23:26 AM