暗い森の奥、一羽の黒い鳥が全力で飛んでいた。
彼のその黒い羽は無数の枝にぶつかり何度も傷を負いながらも、飛行は止むことがなかった。
暗闇の中に何かを探し求め彼は空を切り裂いていた。
いよいよ飛ぶことに疲れ果てた頃、前方に微かな光が見えた。
光は柔らかく少しずつ彼の意識に迫ってくる。
まるで彼を導いているようだ。
光が大きくなるにつれ黒い鳥の中で何かが弾ける音がした。
「あなたは誰?」
黒い鳥は光に向かって声を発する。
しかし返事は返ってこない。静けさだけがその場を包む。
その光は彼自身の内なる波動だ。
黒い鳥は暗闇の光を求めて再び力強く羽ばたいた。
「あなたは誰」
2/19/2025, 2:14:13 PM