同情
たとえばどうしようもない愚痴や失敗やうらみつらみを友人に語ったとして。
同情されて苛立ちを覚えることはない。自覚している非を改めて指摘されるよりずっとましであり、聞きかじった断片的な事情に基づいて下手なアドバイスをされるよりずっと誠実だ。同情は模範解答であり、かといって最適解を出す責任は相手にない。同情に罪はない。
それでも同情に傷つくのは、己の愚かさに気づくからだ。同情は模範解答だが、同情以外の模範解答がないとも言える。つまり、実質相手に同情を強要していることになる。毒にも薬にもならず、虚しくなるだけの同情の言葉を、他でもない自分が相手に言わせてしまっているのだ。しかも、同情するにもある程度エネルギーが要る。
意味もなく傷を舐める行為に相手を付き合わせて、困らせて、そのくせそこはかとない不満を抱いている自分の不甲斐なさ。相手のどこか気の抜けた共感や励ましの言葉に、そういったものを見出してしまって、己に恥じ入り、絶望するのだ。
2023/02/21
2/20/2023, 6:49:03 PM