蒼月の茜雲

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テーマ関係なし


私はアイドルのオーディションを受けている。
周りには、可愛い綺麗、自信満々な人ばかりで
ただ、アイドルが好きで、歌が好きでだけと言う私は、周りからすれば浮いていた。
見た目も黒髪ツインテール、ゴスロリ服…
書類審査は受かっている人達が集まっているから
私にも何かあるのかも知れないと思ったけれど
同じ、オーディション2次審査組の人達は
私を嘲笑っていた。

こういう場でも、友人が出来て楽しそうに話している人たちが居るのに
私は孤立していた。
私と同じく孤立している人たちも居るけれど
彼女たちは、自ら望んで孤立しているようだった。
馴れ合いは無駄。最終的に受かるのは一人だけだから、此処で友人なんか作ってる暇なんか無い。
そんな事を言った人たちだった。

プロ意識が高いと言えば聞こえはいいが
他人を見下している、高圧的な態度の人たちが多かった。

確かに、孤立を選んだ人たちは、歌唱力もダンスも申し分無く、直ぐにでもプロとしてデビュー出来るほど、完璧だった。
けれど、アイドルとしてではなく、歌手、アーティストとしてのほうが、求められるんじゃないかと言う事で、3次審査には進めなかったようだ。
(テレビやインターネットで放送されている)
あくまでも、アイドルをデビューさせる為のプロジェクトなので、他人への態度も評価されていた。

私は、3次審査に進めていたけれど
孤立したまま、誰とも仲良くなれずに、1人練習をしていた。
『あの子、変な声 』
『そんなに上手くないのに、なんで残ってるんだろうね』
『あれじゃない?』
『あー…あれ』
くすくすと嘲笑うような声が聞こえる。
きっと、この声はテレビやインターネット配信では聞こえないくらいの大きさだろうと思う。
私は気にしないように、振り付けの練習もする。
ダンスは苦手だけれど、必須だから、頑張る。
他の子達は、ダンススクールに通っているの人が殆どのようで、軽く練習しただけで完璧に踊れるようになったようで、踊らずに喋っていた。

自主練習じゃなく、ダンスの先生が教える時には、真面目に取り組んでいるのだが、それ以外の時間は、練習はしていないようだった。

……そして、デビューが決まったと発表され
受かったのは…私ではなく
2次審査で落とされたと思っていた、
『私、馴れ合う気はありません』
と宣言した女性と
最終審査まで残っていて、友人が沢山出来ていた少女だった。

2次審査で落とされたと思っていた子は
1人特別ルールで審査されていたようだった。

オーディションに落ちた私は、
一番応援してくれていた幼馴染みに連絡をする。
しかし、彼からの返事は無く、地元に戻ると
彼は、私がオーディションで頑張っていた時に、
誰にも何も言わずに、居なくなったらしい。

………。
私の支えはどこにも無くなったんだ。
そう理解した。


(昨日見た夢の話。)

12/3/2022, 2:32:36 PM