幻覚

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「月夜」

月が綺麗な夜だった。普段は見ることのないそれを見上げ、同僚の顔が思い浮かんだ。月を見ると幾分テンションが上がるらしい。その身に宿した獣の力故と、普段は見る事が無いために余計になのかもしれない。気まぐれに酒を買って、報告もそこそこに彼の部屋を訪れる。特に予定を確認はしていなかったが、彼は在室していた。芝生に寝転んで居る彼に酒瓶を揺らして見せれば、彼は目を輝かせた。
「オイそれ!」
「土産だ。呑もうぜ」
「マジかよ!」
がばりと起き上がり、愛してるぜ!と抱き着いてくる男を躱し、その場に腰を下ろした。

フージャブ

3/7/2024, 1:02:41 PM