NoName

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君は無邪気な笑顔を纏って
裸足のまま、一人で駆けていく。
夕陽の綺麗な、海へ。
なぜか君を失ってしまいそうな気がして、
手を伸ばしたけれど、
君には届かなかった。
手が宙を切って、
寂しく自分の方に戻ってきた時、
君は変わらない無邪気な笑顔でこちらをみていた。
「どうしたの?」とでも言う様に。
途中の砂浜で足を止めていた。
君の方に小走りで近付く。
今度こそ、しっかりと君の手をとる。
君の手は、少し肌寒い風とは違って暖かかった。
今度こそ、歩き出した。
二人で。
海へ

8/24/2023, 9:19:07 AM