Y.S

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それは、暗い森の中に突如として現れた空間だった。
木々が無いこの小さな空間にだけ大地にまで太陽光がたっぷり降り注ぎ、色とりどりの小さな命が散らばっている。

「へぇ、こんな場所あったんだね。知らなかった。」

声を僅かに弾ませながら、命を踏み潰さないぎりぎりの場所まで近付きしゃがむ君。その後ろ姿に、思わず釘付けになっていた。

「貴方にあげるなら、これかな。」

君がおもむろに指さした花……それは見た目だけで選んだのか、それとも、意味を知っているのか。綺麗な赤色のゼラニウム。



お題#2:花畑

9/17/2023, 11:09:00 AM