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テーマ「透明」

「暑いね」
駄菓子屋で買った緑色のビンを渡す。
「開け方わかる?」
「さすがに」
彼女は苦笑いで玉押しを飲み口に乗せる。
左手で持ったビンに右手で押し込んだ。
しかし、炭酸の勢いに驚いたのか、右手をすぐに外してしまう。
「わわわ!わーー!」
そこからはお約束どおり、あふれたラムネは左手を通り、白いワンピースをびしょびしょに濡らす。
悲鳴を上げ慌てふためく彼女に、僕は青空高く大笑いする。

「ちょっと減っちゃった...」
彼女は太陽に透かした瓶を、ちゃぷんと回した。
片目をつむった白い頬に、赤と青の影が浮かんでいる。
「赤と青のビー玉だ」
大きな目をさらに大きくし、しげしげと顔をかたむけた。
コロンとビー玉が転がり、小さな泡がぷくぷくと浮かんで弾けた。
「きれい」

5/21/2024, 11:40:35 AM