あ、あそこに女の子がいる。もしかしてまいご?なら、助けなきゃ。
「君、大丈夫?」
とりあえず声をかける。
「っ、ん、…。」
?なんて言っているのか、きこえない。声は聞こえるのに。
「どうしたの?」
もう一度声をかけてみる。すると、
「んっ、んーっ…!」
走ってどこかへ行ってしまった。大丈夫かな…。後ろ髪を引かれる思いでそこを去ろうとすると、
「ミャー」
猫の鳴き声がした。それも、生まれて間もない子猫だ。今度こそ。そんな思いで近寄っていった。
「きみ、どうしたの?飼い猫かな?」
なるべく優しい声で話しかける。
「ミャー、ミャー。」
さっきの少女と違い、今度は子猫の方から寄ってきてくれた。
「僕と一緒に暮らす?」
冗談半分で言ってみると、子猫は
「ブンブンッ」
音がするほど強く、首を振った。首折れそう。大丈夫なのか?
「じゃあ、うちにくるか?」
確認も含めて、もう一度聞いてみる。すると子猫は、僕に飛びついた。
あれ?よく見ると、さっきの少女と同じ首飾りをしている。少女の髪の色とこの子の毛の色も似ている。もしかしてー。
まあ、いい。深くは考えずに、この子猫のこと、大事にしよう。
11/15/2024, 11:38:11 AM