『約束だよ』
「おじいちゃん...!」
「わしはもうダメじゃ...年は取りたくないものだな...」
ベッドの上のおじいちゃんはいきぐるしそうにわらう。
わたしはなにも言えないままおじいちゃんの手を
ぎゅっとにぎることしかできなかった。
「なあ可愛い孫よ、わしが死んだら悲しんでくれるかい?」
「もちろんだよ!約束!!でもしなないで!」
おじいちゃんの手をさっきよりつよくにぎりしめると
おじいちゃんはやさしくわらいながら
ねむるように目をつむった。
するとおじいちゃんのよこのきかいがピーとなる。
「おじいちゃん...?おじいちゃん!」
おじいちゃんはしんでしまった...
「まさか一日の内に家族が二人も死ぬなんて...」
「こんなことって...神様は残酷だわ。」
周りの哀れむ声がずっと聞こえる。
本当にどうしてこんなことになったんだろう...
そう思っていると夫が前でマイクを
持って涙を我慢する声で話し始める。
「えぇと...みなさん本日は祖父の○○と
娘のかなによる葬儀を始めたいと思います。」
語り部シルヴァ
6/3/2025, 10:31:57 AM