【君と見上げる月】
君と見上げる月が綺麗だったことを、
君がいなくなって初めて知った…。
今宵見上げる月は雲に隠れて見ることができない。
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月よ、月よ、遥かに遠き月よ。
君と見上げたあの月が最期だというのなら、
あの日あの瞬間に君を抱きしめればよかった。
月よ、月よ、さてもかわらぬ清けき月よ。
その冷たき光にひと欠片の情があるのなら、
どうかその瞳の涙を私の代わりに拭っておくれ。
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君と見上げたはずの月が記憶にないのは、
きっと月明かりに照らされた君の横顔を、
飽きもせずにずっと見つめていたせいだね。
9/14/2025, 10:11:49 AM