何もかも違うはずなのに、こことは違う世界から来た「アイツ」は、この世界にいるアイツと同じなんだ。
あっちの世界にも「オレ」がいることも聞いた。やっぱりこの世界のオレとは違うらしいが。
違うのに、同じ。
だから、「アイツ」はあっちの世界の「オレ」も、この世界のオレも、平等に大事にしてくれた。
というより、あっちの世界の「オレ」が大事だから、それとほぼ同じであるオレのことも大事にした、と言ったほうがいいか。
……できれば、避けたかったのに。
結局オレは、まんまと絆された。
この世界のアイツと、あっちの世界の「アイツ」とに向ける気持ちの区別がつかなくなってしまった。
違う。同じだけど、違うんだ。
オレが好きなのは、この世界のアイツであるべきなのに。
あっちの世界の「アイツ」には、あっちの世界の「オレ」がいるのに。
なんで、あっちの世界の「アイツ」のことまで。
終わりだ、と思った。
【パラレルワールド】
9/26/2025, 9:07:02 AM