“友情”
私は友達少ない。
少ないというより友達というほど心許してる人が少ない。
私がまだ5歳にも満たない頃、亡き祖母は言った。
「友達は数じゃない。生涯で1人くらいでいい。ずっと一緒にいれる人を友達というんだよ。」
私はあまり気にしてなかったが、
祖母が亡くなったのは小学校に上がる前。
それほどまでに印象が強かったのだろう。
小学校入って、児童館に通い出し
気づいたらずっと一緒にいる子がいた。
どうやって仲良くなったのかも覚えてないくらいにずっと一緒に遊んでいた。
平日は児童館、休日はお互いどちらかの家に来て遊ぶ。
児童館をお互い通わなくなっても
休みだったら一緒に居た。
私の小学校はそこそこなマンモス校で4~5クラスほどが1学年だった。
毎年、クラス替えが発表された日には家の固定電話を握り、お互い何組かを言い合う。
彼女と一緒のクラスになったのは5年が最初だった。
5年生でやっと同じクラスになれたのだ。
しかし、5年に上がった頃、
私の病気が牙を出した。
学校に通えない日々が続き、入院もした。
彼女は家も近くないのにプリントを持っていくと名乗り出し、私が授業についていけなくならないようにとノートも細かく書いていた。
そして入院した事実を知った時に、彼女だけが見舞いをしに来た。手紙とチョコレートを手作りして来たのだ。
彼女はとても優しい。優しくて素直だ。
私と友達なってくれたのが奇跡という他ないくらい性格も価値観も好きなものすら違う。
けれど、彼女は遊んでいてふと言ったのだ。
“私と水蓮(本来は本名)はずっと親友だよ”
と。
私が彼女にしてもらったことを返すのは時間かかる。
それでも、時間をかけて“ありがとう”と伝えたい。
それをするには1生涯、親友として笑い合えることだ。
これを私は友情と呼ぶ。
7/25/2023, 1:52:15 AM