あくる日、依頼を完了し部屋に戻った際のこと。
それに気づいたのは青年であった。背中に伸ばし三つ網をしている髪が先の戦闘で解けかけていたので。
少年に指摘すると、少し考え青年に結んでほしいとせがんできた。
あまりに期待したまなざしで懇願するので流されてしまい、ついうなずいてしまった。
が、いざ目前に控えると過去のことを思い返す。
義妹にも同じように髪を結いでほしいと言われたことを。
幼かったこともあり当時四苦八苦しながらなんとか終えたが歪な形で。
やり直そうとしたがこれでいいと、笑顔で言われてしまい直せなかった過去。
かなり出来が悪かったので何とかきれいにできるようにと、それから練習したのにも関わらずなぜかうまいかない。
ないものねだり、と言われたらそうかもしれない。
だから少年の髪を結う際もうまくできないかもしれないとあらかじめにも言ったのに少年はそれでもいい、と一点張りで。仕方なくけれど綺麗に結おうと頑張るが上手くいかず。
出来上がったその状態を見た少年は笑いありがとう!と言い自慢してくると食堂に走っていったので慌てて青年は少年の後を追った。
それは当時の義妹と同じ笑顔で同じ行動をしていたことに焦っていた青年は気づくことはなかった。
3/27/2024, 1:09:22 AM