【遠い日の記憶】
僕がいないことで完成する世界から
きみに言われるがままに飛び出して
世界の輪郭を捉えて色づいたところから始まった物語
元々捨てようとしていたから
きみの為に使えるならむしろ本望だった
何も持たない僕でも命を削ったら
きみに届けられる何かを作れるかもしれない
きみがいるその暗闇の
喉を絞めつけてくる苦しさを知ってほしくないから
きみはどうか感情を知らないままでいて欲しいけど
もし、遥か彼方の遠い未来で
それを知ってしまった時のために
なんて建前で1分1秒でもきみの隣にいようと
もがいていた存在を
遠い遠い未来できみに思い出してもらえるように
きみに分け与えてもらった息を吐いて
何とか日々を消費して
どうにか今日もガラクタを作り出して
きみと僕しか知らない物語で過去を積み上げる
2024-07-17
7/17/2024, 2:09:29 PM