Twitterを消した。Instagramを消した。LINEを消した。
一瞬で、消えた。
開放感と同時に虚無感に襲われる。
『友達』と画面に映し出されていた人間関係は瞬間的に見えなくなった。
画面に映し出されていた『友達』は本当に友達だったのか。アイコンに象られたアレは友達だったのか。スマートフォンという媒体でメッセージを送った先にいたのは本当に友達だったのか。
本当の友達ならこんなにも跡形もなく消えていってしまうものだろうか。そんな疑問を感じるほど呆気ない。
いや、消えたのは僕なのだけれど。
だが、SNSから離れて少し経つと、視界が少し広くなったような気がした。四角い画面に貼り付けられていた目が、上を向いて、本当の青を見ることができるようになった。
久しぶりにカフェで友達のY君に会った。最初、僕はどきどきした。『友達』では無くなったから。友達ではなくなってしまっているのではないか。でも、僕らはいつものように話して、くだらない事で馬鹿みたいに笑う。
SNSを消しても、友達は何ら変わらなかったのだ。
絆とは、本来目に見えないもの。
人工的に見える化された絆は細すぎる糸なのだ。
3/7/2023, 6:58:43 AM