美蘭

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#神様が舞い降りてきてこう言った

「君は、あと半年しか生きられない」
ある春の下旬、神様が舞い降りてきてこう言った。
その日は、やっと片想い中の彼と付き合うことが出来た日だった。

なぜ?私がなにか悪いことをしたの?
でも未来は、変えられない。

私は、半年という長いようで短い時間を精一杯楽しんだ。
でも時々、刻一刻と迫る死に胸が押しつぶされそうだった。
これからもっと楽しいことをしよう!そう決めていたのに。

思い出は、増えていった。
彼との初デート。友達と勉強会、テスト後の打ち上げ、夏休みなになりクラスのみんなでプール、花火大会、水族館デート、また勉強会…

半年がすぎた。

神様がまた舞い降りてきて言った。
「お別れの時間だ。」
私は、ベッドの上で目を開く。周りには、たくさんの友達、家族、そして彼。
泣かないで?またきっと、きっと会えるから…
だから、だから…
「またね…」
最後に満面の笑顔を浮かべて、目を閉じる。

みんな、またね。またきっと会えるよ…
私がいなくてもまた明日から、頑張れるから
また、来世で会えたら…

私は、いえなかった言葉を、闇に溶ける前に呟く。
彼に聞こえるかは、分からないけど…聞こえたなら

「また、来世で会えたら…君の恋人にもう一度なってもいいですか?…」
聞こえたならでいい…でもどうか神様、私の願いを叶えてください…
闇に意識を溶かす時、彼の大好きな声で
「もちろん…」
と聞こえた気がした。

7/27/2024, 10:19:38 AM