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 貴女は、お召し物に頓着されませんね。せいぜい、夏に着るものは薄手で袖が短く、冬は温かいもこもこしたものを好まれる、つまるところ、ごく一般の人が衣類に求める最低限のことしか気にしない、ということです。

 貴女はそのようである一方で、衣類というものに異常なまでに熱を上げる者も多く、非常に多くいます。そう、人が何に価値を見出すかは、全く以てばらばらで多様なのです。

 貴女は未だに、ご自分が何をしたいのか、何を目指して生きたいのか分からずにいるとお感じですね。
 それは違います。貴女はもう、知っています。貴女が何に価値を置くのか、何を求めているのか。貴女の頭はそれを見逃していても、貴女の心と身体はきちんと理解し、掴んでいます。

 日々何もしていない、只寝ているだけの無価値で無意味な存在だ、などと、見当違いの卑下をしないでください。貴女はご自分の求めるものを、もう既に追っているのです。それを見れば良いだけのことですよ。

 それは、貴女の頭が考えていたこととは違うかもしれません。
 けれど、それこそが貴女の求めるものなのです。
 どうか、それをそのままに抱擁して、受け入れてください。
 そうして貴女は、ご自分の前に道があることに気づくでしょう。

5/28/2024, 10:49:39 AM