"良いお年を"
ある夜明け前、ふと思い立って自らの体温で温かくなった布団を蹴り上げた。
おろし立てのコートを羽織り、着心地の良さに感嘆する。
靴を履いて、玄関の扉を開けて、先にある自転車にまたがって一気に漕ぎ出した。
まだまだ暗い街の中、自転車を漕いでいる私は独りきり
ザアザアと心地の良い音だけが聞こえてくる場所が、目的地。
ただの満ち引きが、見ているだけで癒される海水を堪能しよう。
猛スピードで回っているタイヤをブレーキで無理矢理に止めて、自転車から降りる。
着いた場所は防波堤、テトラポッドが積み重なっているのがよく見える
先程のスピードとは裏腹に、ゆっくりテンポを刻み歩いて防波堤の先に辿り着く。
ちょうど日の出が重なったようで、辺りをオレンジに照らし始める
あんまり美しかったので見入ってしまった。
今朝はもう家には帰れない
私は静かな年明けに祈った。
12/31/2025, 11:30:19 AM